令和3年/2021年始挨拶 電通五十嵐社長、博報堂HD水島社長

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2021年初、主に関係者と言いますかグループ社員に向けた挨拶がなされました。
内容を見ていきましょう。

電通 五十嵐博社長

電通ジャパンネットワークの皆さん、あけましておめでとうございます。新年を迎えるにあたり、ご挨拶させていただきます。

昨年我々は、たった数カ月で世界が変わる様子を目の当たりにしました。DX、非対面接客、リモートワークなど、それまで聞きなれなかった言葉が当たり前のように使われるようになりました。これらは、すでに存在していた社会課題が新型コロナウイルスによって表面化し、様々な変革が待ったなしで行われた結果だと思います。
それまで当たり前のこととして受け入れてきた生活様式や社会システムが、実は万能ではなかったことに、多くの人が気づきました。人々の価値観が変わり、新しい暮らし方、新しい働き方、新しい生き方が模索される中で、多くの企業が、改めてその存在意義を問われています。

私はかねてより、未来は予測するものではなくつくるものだと申し上げてきましたが、そもそも未来が予測できないものであることを思い知らされました。予測不可能な世界においては、かつてない課題と向き合い、かつてないソリューションによって非連続な成長を遂げていかなければ、いかなる企業も存続することができません。もちろん、我々電通グループも例外ではありません。社会に必要とされる存在であり続けるために、我々は何者であるべきなのか。顧客に何を提供するべきなのか。これを自らに問い続け、答えを出し続けなければなりません。

そのひとつの答えとして、電通グループは中期戦略として、Integrated Growth Solution(IGS)の実装を掲げていきます。マーケティングのあらゆるソリューションを統合的に提供することで顧客企業のトランスフォーメーションを牽引し、トップラインをドライブしていきます。我々が培ってきたアイデア、ネットワーク、プロデュース、エグゼキューションの力で、顧客企業の持続的な成長を支援していくこと。その仕事を通じて社会の成長発展に貢献すること。ここに電通グループの存在意義があります。クライアントから仕事を受注するスタイルから脱却し、クライアントや社会と一体となって共に成長していくパートナーへ、今まさに、自らを変革する必要があります。dentsuを社会の中へ。唯一無二の存在として、多種多様な価値を生み出していくために、組織構造はどうあるべきか。財務構造はどうあるべきか。働く人間はどうあるべきか。2021年は、電通グループ自身のトランスフォーメーションを推進する年にしていきます。具体的な内容については、適宜お伝えしていきます。大切なのは、変わることを恐れないことです。会社は人でできていますから、会社の構造改革は、社員の皆さんの自己変革なしには実現しません。皆さん一人一人のトランスフォーメーションに期待しています。

そして、東京オリンピック・パラリンピックです。今年は、かつてない新しい形でオリンピック・パラリンピック開催に挑む年になります。これほどまでに電通グループの力が試される瞬間に、自分が電通グループの人間であることを誇りに思ってください。そしてあらゆる状況に対応すべく、準備を進めていきましょう。この取り組みは、人類の未来にとって、そして我々電通グループの未来にとって、かけがえのないレガシーになるはずです。新たな希望の象徴となる、まったく新しいオリンピック・パラリンピックを創り上げていきましょう。我々には、その力があります。

2021年、皆さんと仕事ができることを誇りに思っています。一緒に駆け抜けていきましょう。

博報堂 水島正幸社長

あけましておめでとうございます。

昨年は、誰もが想像しえなかった、大きな変化に直面する年となりました。
中計2年目を快調に走り出した年初から、突然急ブレーキをかけられ外に放り出された、そんな感覚を覚えた一年でした。
行きたいところにも行けず、会いたい人と直接会う自由を奪われ、暗澹たる思いを抱くことも多々あったかと思います。しかし、これから先、この体験を振り返るとき、そこに何らかの意味を見出すことができるのではないかと私は感じています。

コロナ禍は私たちの生活に、多くの新たな課題を突き付けました。働き方、学び方、暮らし方といった様々な場面で、これまで機能していたことがうまく機能しなくなり、今までの正解は正解ではなくなりました。クリエイティビティで、社会に「別解」をもたらすことの価値がますます高まっていると感じています。
さらに、デジタル化の急激な進展により、「リモートワーク」や「ウェビナー」といった、様々な生活革新、ニューノーマルが作り出され、社会が『生活者インターフェース市場』に向かって一気に加速しました。私たちが見立てた『生活者インターフェース市場』の到来が、想像していたよりも早いスピードで現実のものとなりつつあります。
この急速な変化を前にして、私は今ほど、博報堂が社会に求められている時はないのではないかと考えています。生活者にとっての価値あるインターフェースをどのように創造するか。私たちに課せられたミッションは、多岐にわたっています。改めて自分たちの強みを認識し、その強みを磨きながら、社会の課題に取り組んでいくことを忘れないでほしいと思います。単なる効率化のために技術を使ったDXを推進し、デジタル競争をするのでは博報堂が関わる意義がありません。

例えば買い物におけるDXで考えてみても、その中で語られるDXは、いかにしてコストダウンを図り、効率をあげるための運用をするかといった「売り方」の視点が大半を占めています。
その真逆の視点、つまり買う人の気持ちや行動がどう変わるか、という視点でこのテーマに取り組むことこそが博報堂らしさです。スマートシティを例にとっても、自動運転や新しい移動手段の活用法といった技術起点ではなく、生活者が感じている不自由さを発見し、どのような体験価値を提供できるかを考えることこそが博報堂らしさです。今後も、積極的にテクノロジーを装備、強化していきたいと考えていますが、それを活かす時の源にはいつも我々のDNAである『生活者発想』があることを忘れないでください。

コロナ禍により、社員みなさん一人ひとりの働き方も大きく変化しました。毎日出勤し、一日の大半を会社で過ごす生活から、時間だけではなく働く空間も含めて、一日の働き方そのものを自分でデザインし、管理することが求められるようになりました。会社としてもこの変化に対応するために、社員一人ひとりがより働きやすく、より達成感を得ることができる、いわば「ベストプレイス」の実現に向け、改革を進めていきます。

一方で、どんな働き方をしようとも、皆さんが、博報堂という企業の一員であるという事実に変わりはありません。私は、これほどクリエイティビティが日常に溢れ、ユニークな人材が集まった組織は他にはないと確信しています。粒ちがいの社員が、それぞれのクリエイティビティを持ち寄り、新たな価値を生み出すチームの力と、そこから生まれるチャレンジをサポートする自由な風土、それこそが博報堂の最大の強みです。働く環境が変わろうとも、これからも、このかけがえのない文化を守り育む努力は惜しまず続けていきますので、ますます自由に、そして大胆に、羽ばたいてほしいと思います。

私たちは今、無限の可能性を秘めた土壌に立っています。2021年は「リスタート」の年として、多くのことをゼロから再構築する一年になるでしょう。

未来に向けて、守っていく価値、新たに創っていく価値の見極めをしながら、クリエイティビティの限りを尽くし進んでいきましょう。あらためて皆さんのご協力を、よろしくお願いします。